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絵の具で始める油絵の魅力と選び方初心者が知っておきたい画材や色のコツ

油絵に挑戦したいけれど、どんな絵の具や道具を選んだらよいのか悩んでいませんか。画材の種類やメーカーの違い、初心者でも扱いやすいアイテムなど、情報が多すぎて迷ってしまうこともあるでしょう。

この記事では、油絵具の基礎知識から道具の選び方、色の特性やお手入れ方法、初心者に役立つ練習方法まで、わかりやすく丁寧に解説します。油絵の魅力を存分に楽しむために、ぜひ参考にしてください。

目次

油絵に使う絵の具の種類とその特徴

絵の具 油絵

油絵具は絵を描くための基本的な画材ですが、その種類や特徴を知ることで、より自由に表現が広がります。まずは油絵具の基本から理解していきましょう。

油絵具とはどんな画材か

油絵具は顔料を乾性油で練り合わせて作られた絵の具で、独特のツヤや深みのある色合いが魅力です。アート作品や本格的な絵画によく使われています。

油絵具は、紙だけでなくキャンバスや木製パネルなど、さまざまな素材に使われます。乾くのに時間がかかるため、じっくりと描き込みたい人や、細かな修正を重ねて表現したい人に向いています。また、混色や重ね塗りによって奥行きや立体感を出しやすい特徴があります。

水彩やアクリルとの違いを知ろう

油絵具とよく比較されるのが水彩絵具やアクリル絵具です。それぞれの特徴を表にまとめました。

種類乾燥の早さ仕上がりの質感
油絵具ゆっくりツヤ・厚みが出る
水彩絵具速い透明感がある
アクリル絵具速いマットで多用途

油絵具は乾燥が遅く、筆跡を残しやすいので、じっくり描きたい方におすすめです。水彩はさらりと仕上がり、アクリルは速乾性と汎用性が高いのが特徴です。それぞれの特徴を知ることで、自分の表現したいスタイルに合った画材選びができます。

油絵具の成分と製法について

油絵具の主な成分は「顔料」と「乾性油」です。顔料は色のもとで、天然鉱石や合成物質から作られます。乾性油には主に亜麻仁油やポピーオイルが使われます。

製法は顔料を細かく粉砕し、油とよく混ぜることでなめらかなペースト状に仕上げます。この工程によって発色や塗り心地が大きく変わります。油絵具は空気中の酸素と反応して徐々に乾燥し、頑丈な塗膜を作るのが特徴です。顔料や油の種類によっても色持ちやツヤに違いが生まれます。

初心者におすすめの油絵具セット

初めて油絵を始める方には、基本色がそろったセットがおすすめです。多くのセットは数本の油絵具に加え、筆やパレット、溶き油などが入っています。

内容が充実しているセットを選べば、届いてすぐに絵を描き始めることができます。セット内容はメーカーによって異なりますが、以下のような構成が一般的です。

  • 基本6~12色の油絵具
  • 油絵用筆数本
  • 練り板またはパレット
  • 溶き油やクリーナー

必要な道具が一通りそろうため、はじめての方でも安心して始められます。色数の多さや付属品の内容を確認し、予算や目的に合ったセットを選ぶと良いでしょう。

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油絵具の選び方とメーカーごとの特徴

絵の具 油絵

油絵具はメーカーやグレードによって、発色や使い心地に違いがあります。ここでは油絵具の選び方や有名メーカーの特徴、色の揃え方について紹介します。

有名メーカーの油絵具の違い

油絵具にはさまざまなメーカーがありますが、それぞれに異なる特徴やファン層があります。たとえば、日本ではホルベインが手に入りやすく、発色が明るいことが特長です。

外国製では、ウィンザー&ニュートンは伝統的な製法で知られ、安定した品質と色のバリエーションが魅力です。ルフラン&ブルジョワやレンブラントはプロの画家にも好まれており、深い色合いや滑らかな感触に定評があります。自分の描きたい作品や予算に合わせて、メーカーごとの特徴を比べて選びましょう。

単色でそろえる場合の基本色

油絵具を単色でそろえたい場合、まずは「基本色」を意識すると便利です。一般的に揃えておくと良い色は以下の通りです。

  • チタニウムホワイト(白)
  • カドミウムイエロー(黄)
  • カドミウムレッド(赤)
  • ウルトラマリンブルー(青)
  • バーントシェンナ(茶)
  • アイボリーブラック(黒)

これらの色を組み合わせることで、幅広い色味を作ることができます。慣れてきたら、使いたい色味や好みに合わせて色数を増やしていくと表現力が広がります。

価格帯やグレードによる違い

油絵具には「学童用」「スタンダード」「プロフェッショナル」など、いくつかのグレードがあります。価格帯と特徴を簡単な表にまとめました。

グレード価格帯主な特徴
学童用安い手軽、発色は控えめ
スタンダード中程度バランスが良い
プロフェッショナル高い発色豊か、高純度

初心者や気軽に試したい場合はスタンダードや学童用を、より本格的な画材を求めるならプロフェッショナルグレードを選ぶとよいでしょう。高級グレードほど顔料の質や耐久性が高くなります。

水可溶性油絵具や速乾性タイプの特徴

近年は、水で洗える「水可溶性油絵具」や、乾燥が早い「速乾性油絵具」も登場しています。水可溶性タイプは、溶き油を使わずに水で筆を洗えるため、においが気になる方や家庭で描きたい方に適しています。

速乾性タイプは、通常より早く乾くので、短期間で仕上げたいときや重ね塗りを早く行いたい方に便利です。これらの新しいタイプは、従来の油絵具とは少し違った使い心地なので、目的や作業環境に合わせて選択するのがおすすめです。

油絵制作に必要な道具と画材

絵の具 油絵

油絵制作には絵の具だけでなく、筆やパレット、キャンバスなどさまざまな画材が必要です。ここでは代表的な道具とその選び方、便利な補助アイテムについて解説します。

油絵筆パレットナイフの使い方

油絵用の筆には、平筆や丸筆、フィルバート筆など、形や大きさによって用途が異なります。平筆は広い面を塗るのに適し、丸筆は細部の描写に便利です。

パレットナイフは、絵の具を混ぜたり、厚く盛った表現をするために使います。ナイフの先端で絵の具を載せたり、削ったりすることで、独特のタッチが生まれます。筆とナイフを使い分けることで、表現の幅が広がりますので、両方を揃えておくと便利です。

キャンバスやイーゼルの選び方

油絵にはキャンバスがよく使われます。キャンバスは布に下地剤を塗ったもので、サイズや布の素材によって描き心地が変わります。初心者には張りキャンバスやパネルタイプが扱いやすくおすすめです。

イーゼルは絵を立てかけて描くために使う道具です。卓上用や折りたたみ式、大型のスタンド型など、用途や設置場所によって選べます。自分の制作スペースや作品のサイズに合わせて選ぶと、快適に作業できるでしょう。

画用液やオイルの種類と使い分け

油絵で使う画用液には、溶き油やクリーナー、速乾液などさまざまな種類があります。主な画用液の用途をまとめました。

  • 溶き油(リンシードオイルなど):絵の具をなめらかにのばす
  • テレピン、ペトロール:筆やパレットの洗浄
  • 速乾液:乾燥を早める
  • バーニッシュ:仕上げのつや出し

絵の具だけでなく、これらの画用液をうまく使い分けることで、作品の仕上がりや作業効率が変わります。使用する量やタイミングに注意して使いましょう。

便利な補助道具と初心者向けアイテム

油絵制作を快適に進めるためには、補助道具も役立ちます。たとえば、パレットカップやティッシュボックス、使い捨て手袋などがあると便利です。

また、初めての方には、使い捨てパレットや下描き用の鉛筆、描きやすい小型キャンバスなどもおすすめです。整理がしやすい道具ケースや画材バッグがあると、持ち運びや収納にも困りません。自分の作業スタイルや環境に合わせて、必要なアイテムをそろえてみましょう。

油絵具の色ごとの特性とおすすめカラー

絵の具 油絵

油絵具は色ごとに発色や使い心地が異なります。ここではホワイト系や定番色、褐色系、高級顔料の特徴や選び方について解説します。

ホワイト系油絵具の違いと選び方

油絵でよく使われるホワイト系には、チタニウムホワイト、ジンクホワイト、ミックスホワイトなどがあります。代表的なホワイトの特徴は以下の通りです。

ホワイトの種類発色の特徴使い方
チタニウム不透明、強い白下地や混色のベースに最適
ジンク透明感があるハイライトや重ね塗り向き
ミックス中間的な性質幅広い用途で使いやすい

どのホワイトもそれぞれに良さがあるので、用途や好みに合わせて選ぶとよいでしょう。初心者はチタニウムホワイトを基本に選ぶと安心です。

定番の赤青黄緑などの色の特徴

油絵でよく使われる基本色には、それぞれ異なる個性があります。たとえば、カドミウムレッドは鮮やかな赤、ウルトラマリンブルーは深みのある青、カドミウムイエローは鮮やかな黄色が特徴です。

さらに、ビリジャンやサップグリーンなどの緑系は、風景画や植物の表現に役立ちます。色ごとに混色のしやすさや発色の鮮やかさが異なるので、少しずつ使いながら自分の好みや作品に合った色を見つけていきましょう。

ブラックや褐色系の使い分け

油絵で陰影や深みを出す際に欠かせないのが、ブラックや褐色系の色です。ブラックにはアイボリーブラック、ランプブラックなどがあり、それぞれわずかに色味が異なります。

褐色系はバーントアンバーやバーントシェンナ、ローアンバーなどがあります。これらは自然な影や肌の色、背景などに便利です。ブラックや褐色系をうまく使い分けることで、絵全体のバランスや表現に幅が生まれます。

高級顔料やこだわりの一色

油絵具の中には、ラピスラズリやカドミウム系など、希少で高価な顔料を使ったものもあります。これらは特有の発色や透明感、耐久性があり、作品のアクセントやこだわりたい部分に使われます。

こだわりの一色を持っておくことで、自分だけのオリジナリティや満足感を味わうことができます。ただし、価格が高い場合が多いので、必要に応じて少量ずつ取り入れてみるのも良い方法です。

油絵具の扱い方とメンテナンスのコツ

油絵具を長持ちさせ、快適に制作を続けるためには、正しい取り扱いやお手入れが大切です。ここでは乾燥や保管、道具のメンテナンスについて解説します。

油絵具の乾燥時間と保管方法

油絵具は乾燥までに時間がかかります。表面が乾いても内部はなかなか固まらず、完成まで数週間から数か月かかることもあります。

乾燥中はホコリがつかないように注意し、直射日光の当たらない場所で保管するとよいでしょう。完成作品は、しっかり乾燥してから保管することが重要です。また、絵の具のチューブはしっかりとキャップを閉め、冷暗所で保管しましょう。

衣類や手についた油絵具の落とし方

油絵具が手や衣類についてしまった場合は、まず乾く前にティッシュなどで拭き取ります。その後、専用のクリーナーやクレンジングオイルを使うと効果的です。

衣類は早めに中性洗剤や専用の洗濯液で部分洗いをします。完全に落ちないこともあるので、作業時は汚れてもよい服やエプロンの着用がおすすめです。

油絵具や道具の正しい捨て方とエコ対策

油絵具や使用済みの画用液は、普通ゴミとして捨てることができない場合があります。各自治体のルールに従い、専用の処理方法を確認してください。

筆やパレットに付着した絵の具も、布や紙で拭き取ってから分別します。エコ対策としては、洗浄液の再利用や、使い捨てパレットのリサイクルなどが挙げられます。環境を考えた処理を心がけましょう。

筆やパレットの洗浄とお手入れ

筆やパレットは使った後、すぐに洗浄することが大切です。まずは画用液で絵の具を落とし、次に石けんや中性洗剤で優しく洗います。

パレットは絵の具が乾く前に拭き取り、必要に応じて専用スクレーパーでこそげ落としましょう。丁寧なお手入れを続けることで、道具を長く良い状態で使い続けることができます。

油絵初心者におすすめの練習方法と上達のポイント

初めて油絵に取り組む方でも、基礎練習や便利な教材を活用することで、楽しみながら上達できます。ここでは初心者向けの練習方法やコツを紹介します。

スターターセットを使った練習法

初心者はスターターセットでシンプルなモチーフを描く練習から始めると安心です。たとえば、果物や風景など身近な題材を選ぶと取り組みやすくなります。

まずは基本色だけで混色や塗り方を試し、筆やナイフの使い方にも慣れることが大切です。少しずつ練習を重ねることで、油絵の特徴や画材の使い方を自然に身につけていけます。

色の混ぜ方やグラデーションのコツ

油絵具の魅力は、色を自由に混ぜて思い通りの色を作れることです。混色の基本は「パレット上で少しずつ混ぜる」ことと、「必要な分だけ作る」ことです。

グラデーションは、明るい色から暗い色へ、またはその逆に、筆を軽く動かして色をなじませることで美しく作れます。少しずつ絵の具を重ねることで、柔らかな色の移り変わりが表現できます。

失敗しやすいポイントと対策

油絵初心者がつまずきやすいのは、「絵の具を厚く塗りすぎる」「乾燥を待たずに重ねて濁る」「道具の洗浄を忘れる」といった点です。

対策としては、まず薄く塗って様子を見ることや、重ね塗りはしっかり乾いてから行うこと、作業後は道具を早めに洗うことを意識しましょう。小さな失敗も経験として活かしながら、少しずつ上達を目指すとよいでしょう。

便利な技法書や動画講座の活用法

最近では書店やネットで油絵の技法書や動画解説が充実しています。書籍では、基礎から応用までステップごとに学べるものが多く、手元に置いておくと安心です。

また、YouTubeなどの動画講座では、実際の筆の動きや絵の流れを確認できるため、独学でも取り組みやすくなります。自分の学びやすい方法に合わせて、教材を活用してみましょう。

まとめ:油絵の魅力を引き出す画材選びと使い方ガイド

油絵は、絵の具や道具の選び方によって表現の幅が広がる奥深いアートです。自分に合った画材やアイテムを選び、正しい扱い方やお手入れを心がけることで、作品作りがより楽しくなります。

初心者でもポイントを押さえて練習を重ねれば、少しずつ上達していくことができます。今回紹介した内容を参考に、油絵の世界を存分に楽しんでください。

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ペンにこだわると、イラストがどんどん上達します。

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この記事を書いた人

漫画やアートで「これってどうしてこんなに心を動かされるんだろう?」と考えるのが好きです。色の選び方や構図、ストーリーの展開に隠れた工夫など気づいたことをまとめています。読む人にも描く人にも、「あ、なるほど」と思ってもらえるような視点を、言葉で届けていきたいと思っています。

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