MENU

十二色相環を使いこなして漫画や画材の配色センスを磨こう

目次

十二色相環とは何か基本を押さえて漫画や画材で使いこなそう

十 二 色相 環

十二色相環は、色の関係性を視覚的に理解できるツールです。漫画やイラスト制作において、色選びやイメージ作りに役立ちます。

十二色相環の概要と色の並び方

十二色相環は、色を環状に配置して、それぞれの色のつながりや対比を分かりやすくした図です。主に赤、黄、青の三原色と、それらを混ぜてできる二次色や三次色を合わせて12色が順番に並んでいます。

色の並び方は、赤・赤橙・橙・黄橙・黄・黄緑・緑・青緑・青・青紫・紫・赤紫の順となります。これにより、隣り合う色同士は自然になじみやすく、環の反対側にある色は強い対比を生みます。色相環を使うことで、色の組み合わせやバランスを簡単に考えられるのが特徴です。

色相環の歴史と主な分類方法

色相環の歴史は18世紀にさかのぼります。当時は絵の具の発色や混色の仕組みを研究するなかで、色の関係を図式化する必要がありました。有名なものにゲーテやオストワルトなどの色相環がありますが、現在の十二色相環は主に伝統的な絵画やデザインの分野で広く活用されています。

分類方法には、赤・黄・青の三原色を基準にしたものや、光の三原色(RGB)を使ったタイプなどがあります。また、色の数によって六色相環や二十四色相環といった細分化も行われていますが、漫画やイラスト制作では十二色相環が最も使いやすいとされています。

漫画やイラスト制作で十二色相環を活用するメリット

十二色相環を使うことで、色選びが直感的にできるようになります。キャラクターの服や背景に統一感を持たせたり、印象を強調したいシーンで目立たせたい色を選びやすくなります。

また、配色のバランスや対比を考える場面では、色相環に従って色を配置することで、見た目に違和感のないイラストに仕上げることができます。特にデジタル画材やアナログ画材を組み合わせて使う場合、色相環の知識があると、素材の違いによる色のズレも想定しやすくなります。

「漫画で何を伝えるべきか」がわかる本!
著名な先生方のお話が満載で充実の一冊。

十二色相環の色構成と各色の特徴

十 二 色相 環

十二色相環は12の色で構成されています。それぞれの色が持つ特徴やイメージを知ることで、表現の幅を広げることができます。

12色それぞれの色相と性質

十二色相環に含まれる12色は、それぞれ独自の印象や用途があります。各色の特徴を知ることで、意図した雰囲気やキャラクター性を表現しやすくなります。

たとえば、赤は情熱やエネルギーを表しやすく、黄色は明るさや希望を感じさせます。青は落ち着きや信頼感を持たせたいときに使われることが多いです。

以下に、代表的な12色とそのイメージを簡単な表にまとめます。

色名主なイメージよく使われるシーン
活発・情熱元気なキャラ、強調
赤橙温かみ・親しみ賑やかさ
元気・陽気食べ物、小物
黄橙希望・快活光やアクセント
明るい・楽しい背景、光源
黄緑若々しさ草木、自然
安心・癒やし自然全般、平和
青緑清潔・新鮮水や近未来感
知的・冷静夜、クールな人物
青紫神秘・幻想魔法、夢
高貴・優雅大人っぽさ、闇
赤紫華やか・個性特殊な衣装など

暖色寒色中性色の違いとイメージ

色相環の中の色は、暖色・寒色・中性色の3つに分けられます。暖色は赤や橙、黄など温かみを感じる色で、活発さや親しみやすさを表します。寒色は青や青緑、青紫などで、涼しさや静けさ、知的な雰囲気を持っています。

一方、中性色は緑や紫など、暖色と寒色の中間に位置する色です。これらは周囲の色に影響されやすく、全体のバランスを取る役割も果たします。配色を考える際は、シーンやキャラクターのイメージに合わせて暖色・寒色・中性色をバランス良く使うことが効果的です。

有彩色無彩色の役割と使い分け

色は大きく、有彩色(色みのある色)と無彩色(白・グレー・黒など色みのない色)に分けられます。有彩色はキャラクターや背景の印象を決める大切な要素です。一方、無彩色は落ち着いた雰囲気や、コントラストをつけたいときに役立ちます。

たとえば、有彩色だけで絵を描くと賑やかさが強くなりますが、グレーや黒を使うことで、主役を引き立てたり、まとまり感を出すことができます。特に漫画では、白黒のバランスも重要なので、無彩色の使い方にも工夫が必要です。

漫画制作における配色の基本と応用テクニック

十 二 色相 環

漫画やイラスト制作では、色の組み合わせや明るさに注意することで、作品全体の完成度が高まります。基本から応用まで知っておきましょう。

補色や近似色を使った配色パターン

配色パターンには、色相環上で向かい合う「補色」と、隣り合う「近似色」を使う方法があります。補色の組み合わせは、強いコントラストを生み、キャラクターや重要なアイテムを目立たせるのに効果的です。たとえば、赤と緑、青と橙などが補色の関係に当たります。

一方、近似色の配色は、自然でまとまりのある印象を与えます。黄色・黄緑・緑といった隣同士の色を組み合わせることで、やわらかく調和のとれた絵になります。シーンごとにどちらを使うか選ぶと、意図した雰囲気を演出しやすくなります。

トーンや明度彩度を意識した表現方法

配色では、色味だけでなく明度(明るさ)や彩度(鮮やかさ)の調整も大切です。同じ色相でも、明度を高くすると柔らかい印象に、低くすると落ち着きや重厚感が出ます。彩度を下げると控えめで大人しい雰囲気になり、彩度を上げると元気で目を引く表現ができます。

たとえば、シリアスなシーンでは、明度を抑えたダークトーンを使い、明るい場面では彩度や明度を高めて華やかさを出すと効果的です。トーンや明度・彩度を変化させることで、同じキャラクターでもシーンごとに印象を変えることができます。

シーン別におすすめのカラーバランス

漫画やイラストでは、シーンごとにふさわしいカラーバランスを考えることが重要です。たとえば、日常や自然な場面では、近似色や中性色を多めに使い、全体を柔らかくまとめるのが適しています。

一方、戦闘や感情が高まるシーンでは、補色の組み合わせや鮮やかな暖色をポイントに置くことで、迫力や緊張感が生まれます。夜や静かな場面では、寒色や無彩色を多く使うと雰囲気が伝わりやすくなります。

下記のようなパターンで使い分けると便利です。

・日常シーン:緑、黄緑、黄などの近似色中心

・緊張感や動きがあるシーン:赤×緑や青×橙など補色の組み合わせ

・静かな場面:青、青緑、グレーなどの寒色・無彩色中心

画材選びで失敗しないための色選定と組み合わせのコツ

十 二 色相 環

画材選びや色の組み合わせは、仕上がりを大きく左右します。目的や使い方に合わせて工夫しましょう。

初心者におすすめのカラーパレット

始めたばかりの方には、シンプルなカラーパレットが使いやすいです。まずは基本色と補助色をそろえ、徐々に数を増やすのが安心です。

おすすめの組み合わせ例を表にまとめます。

基本色補助色無彩色
赤・黄・青緑・橙・紫白・グレー・黒

この6色+無彩色があれば、多くの表現が可能です。迷ったときは、色相環の中から1色ずつ選ぶことでバランスも取りやすくなります。

デジタルとアナログ画材のカラー再現性の違い

デジタル画材とアナログ画材では、色の出方が異なります。デジタルはモニターの光で発色するため、鮮やかな色も表現しやすいです。一方、アナログ画材は、紙やインクの種類によって微妙な色味の違いが出ることがあります。

また、印刷すると画面で見たときよりも色が沈んだり、違った印象になることもあります。制作時は、実際の仕上がりや使う用途に合わせて、色の設定や選び方に注意しましょう。

色相環を使った色選びの実践例

実際に色相環を使って色を選ぶときは、まず主役となる色を決め、その色の隣(近似色)や対角(補色)を選ぶ方法が効果的です。

たとえば、青い服のキャラクターを目立たせたい場合、背景には橙や黄橙を使うと、キャラクターが引き立ちます。穏やかな雰囲気を出したいときは、青・青緑・緑などの近似色で全体をまとめると良いでしょう。

このように色相環を見ながら組み合わせを考えることで、迷うことなく色選びができ、作品に一貫性を持たせることができます。

まとめ:十二色相環を活用して漫画と画材の表現力を高めよう

十二色相環を理解し、上手く活用することで、漫画やイラストの表現力が大きく広がります。色のバランスや組み合わせに迷ったときも、色相環を参考にすると解決策が見つかりやすくなります。

画材選びや配色の工夫を重ねて、自分だけの世界観を表現してみてください。

世界70か国で愛されるコピック!
ペンにこだわると、イラストがどんどん上達します。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

漫画やアートで「これってどうしてこんなに心を動かされるんだろう?」と考えるのが好きです。色の選び方や構図、ストーリーの展開に隠れた工夫など気づいたことをまとめています。読む人にも描く人にも、「あ、なるほど」と思ってもらえるような視点を、言葉で届けていきたいと思っています。

目次