ミリペンとは何か漫画画材としての特徴を知ろう

漫画制作でよく使われる「ミリペン」とは、どのようなペンなのかご存知でしょうか。ここではミリペンの特徴や基本について解説します。
ミリペンと他のペンの違い
ミリペンは、線の太さが「0.1mm」「0.3mm」などミリ単位で設定されている画材用のペンです。一般的なボールペンやサインペンと比べると、線の太さが均一である点が大きな特徴です。芯が硬く、筆圧をかけても線の幅がブレにくいため、細かい描写や下描きの上からの清書に適しています。
また、ミリペンは耐水性や耐光性に優れているものが多いので、インクがにじみにくく、消しゴムで下描きを消しても線が残りやすいことも評価されています。漫画だけでなく、イラストや図面など、精密な線が求められる場面でも使われることが多いです。
漫画制作でミリペンが選ばれる理由
漫画制作の現場では、均一な線を引くことがきれいな原稿作りの基本とされています。そのため、筆圧や手ブレの影響を受けにくいミリペンは重宝されています。特に背景や小物の描写、細かな模様や効果線など、精度が求められる線に活躍します。
一方で、つけペンや筆ペンは線の強弱や表情をつけやすいものの、扱いが難しいという悩みがあります。その点、ミリペンは初心者でも扱いやすく、失敗が少ないので、プロ・アマ問わず支持されています。
ミリペンの基本的な使い方
ミリペンを使う際は、まず下描きを鉛筆などで描き、その上からミリペンでなぞります。この時、ペン先を寝かせすぎず、軽く持って線を引くのがコツです。強く押し付けると紙が傷みやすく、インクの出も悪くなります。
描き終わったら、インクが完全に乾くのを待ってから下描きを消しゴムで消すと、きれいな仕上がりになります。細いペン先は傷みやすいので、力を入れすぎないよう注意しましょう。細かい部分は0.1mmなどの極細、アウトラインや太い線には0.5mmなどを使い分けると便利です。
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ミリペンの選び方ペン先太さインク種類メーカー比較

ミリペンを選ぶ際は、ペン先の太さやインクの種類、メーカーごとの特徴などを知ることが大切です。ここでは選び方のポイントをまとめます。
ペン先の太さごとの表現と用途
ミリペンには0.03mmから1.0mm程度までさまざまな太さがあります。太さごとに向いている用途が異なり、表現の幅も広がります。
主なペン先の用途をまとめると以下のとおりです。
- 0.03~0.1mm:髪の毛や細かい装飾、背景の遠景線など繊細な部分
- 0.2~0.3mm:人物の輪郭や一般的な線画、背景の描写
- 0.5mm以上:アウトライン、ベタ塗りのフチ、強調したい部分
このように、用途に合わせて何本かの太さを持っておくと、仕上がりがきれいになります。マンガ原稿なら、0.1mm・0.3mm・0.5mmの3本セットが使いやすいです。
インクの種類と耐水性耐光性のポイント
ミリペンのインクには大きく分けて「水性」と「油性」があります。水性インクは乾くと耐水性があり、コピックマーカーなどで色を塗ってもにじみにくいのが特長です。油性インクは耐水性・耐光性に優れているものもあり、長期保存したい原稿や作品に向いています。
また、耐光性が高いインクなら、紫外線による色あせを防げるため、展示や保存用のイラストにも安心です。購入時は「耐水性」「耐光性」などの表示をチェックし、用途に合ったものを選ぶことが大切です。
人気メーカーごとの特徴と選び方
ミリペンにはさまざまなメーカーがありますが、それぞれ書き味やインクの特徴が異なります。主なメーカーと特徴を表にまとめました。
メーカー | 特徴 | おすすめポイント |
---|---|---|
サクラクレパス | 線がなめらか、インクが濃い | 幅広い太さ、入手しやすい |
ピグマ | 耐水・耐光性が高い | コピックとの併用可 |
コピック | 書き味が軽い | 発色が鮮やか |
どのメーカーも、文具店や通販で手軽に入手できます。まずは自分の描きやすい書き味や、よく使う太さのセットを選んでみましょう。
漫画制作におすすめのミリペンと活用法

どのミリペンを選べば良いか悩む方のために、プロも愛用する定番や初心者におすすめのセット、表現テクニックなどをご紹介します。
プロ漫画家も愛用する定番ミリペン
多くのプロ漫画家が愛用しているミリペンのひとつが「ピグマ」シリーズです。ピグマは線の発色が良く、インクが紙に沈みにくいため、クリアな線を描くことができます。また、耐水性・耐光性にも優れているため、コピックや水彩など他の画材と併用してもにじみにくいです。
他にも「ミリペン(サクラクレパス)」や「コピックマルチライナー」などが人気で、いずれも書き味や太さのラインナップが充実しています。複数のメーカーを試してみて、自分に合うものを探すのもおすすめです。
太さや色味で変わる表現テクニック
ミリペンは太さや色のバリエーションを変えることで、表現の幅が広がります。たとえば、人物の輪郭や重要な部分にはやや太い0.3mm~0.5mmを使い、細部や背景には0.1mmを使うと、奥行きや立体感を出しやすくなります。
また、黒以外にもグレーやブラウン、セピアカラーのミリペンを使えば、柔らかい雰囲気や温かみのある絵に仕上がります。影や髪の流れ、服のシワなど、色味を使い分けることで表現力が高まります。
初心者におすすめのミリペンセット
初めてミリペンを使う方には、主要な太さがセットになった商品がおすすめです。たとえば「0.1mm・0.3mm・0.5mm」の3本セットなら、マンガの線画から細部まで幅広く対応できます。
各メーカーからスターターセットやお試しセットが発売されています。最初はベーシックな黒インクのセットを選び、慣れてきたら色付きや太さ違いを買い足すと便利です。セットなら単品購入よりもお得なことが多いので、コスト面でも安心です。
ミリペンのよくある疑問と便利な活用アイデア

ミリペンに関する疑問や、さらに便利に使うためのアイデアについて、具体的なポイントを解説します。
100均や通販で買えるミリペン事情
最近では100円ショップでもミリペンが手に入りやすくなりました。手軽に試せるのが魅力ですが、インクの発色や耐水性はメーカー品に比べてやや劣る場合があります。短期的な用途や練習用としては十分使えますが、長く保存する作品や本番の原稿には、やはり専門メーカーのものを選ぶと安心です。
一方、通販では多くの種類やセットが手に入るので、好みの太さや色、メーカーを比較して選ぶことができます。レビューや商品説明をよくチェックして、自分に合ったミリペンを見つけましょう。
ミリペンのメンテナンスと長持ちさせるコツ
ミリペンを長持ちさせるには、使い方と保管方法が大切です。使用後は必ずキャップをしっかり閉め、乾燥やインク詰まりを防ぎます。また、ペン先を強く押し付けすぎないよう注意すると、摩耗を防げます。
使わないときは水平に置くのが基本ですが、一部のミリペンは立てて保管した方が良い場合もあります。メーカーの注意書きを確認し、ペンの特性に合わせて保管しましょう。
他の画材との組み合わせや応用方法
ミリペンは他の画材と組み合わせて使うことで、さらに表現の幅が広がります。たとえば、線画をミリペンで描いた後、コピックマーカーや水彩絵具で色をつけると、にじみの少ない美しいイラストになります。また、色鉛筆やパステルを使って柔らかな質感を加えるのもおすすめです。
応用として、グラフや図面の作成、手帳やノートの装飾など、漫画以外の場面でも活躍します。線の美しさと精密さを生かして、さまざまな表現に挑戦してみてください。
まとめ:ミリペンで広がる漫画表現と画材選びのコツ
ミリペンは、誰でもきれいな線が引ける使いやすい画材です。太さやインクの種類、メーカーごとの特性を知り、自分の描きやすいものを選ぶことで、作品の仕上がりが大きく変わります。
初めての方も、いろいろな太さや種類を試しながら、自分だけの表現を見つけてみてはいかがでしょうか。用途や目的に合わせてミリペンを使いこなし、漫画制作やイラストをより楽しく、奥深いものにしていきましょう。
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