漫画制作に適した紙のサイズと特徴

漫画を描くときは、紙のサイズや特徴によって仕上がりや作業のしやすさが大きく変わります。ここでは、制作現場でよく使われる紙の種類や特徴についてご紹介します。
aサイズとbサイズの違い
漫画制作に使われる紙には「aサイズ」と「bサイズ」があります。aサイズは国際規格で、例えばa4やa5などが有名です。一方、bサイズは日本独自の規格で、b4やb5などがよく使われます。
aサイズは一般的な書類やプリントでも目にすることが多く、取り扱いがしやすい特徴があります。bサイズは特に漫画や雑誌で多く採用されており、ページ数や余白のバランスが取りやすい点が魅力です。漫画制作では、用途や仕上がりのイメージに合わせて使い分けることが大切です。
aサイズでよく使われる用紙の種類
aサイズの中でも、漫画制作ではa4が多く選ばれています。a4は210×297mmの大きさで、縮小したときに丁度よいバランスになるため、原稿作成に適しています。漫画原稿用紙だけでなく、コピー用紙やケント紙などもa4でよく見かけます。
aサイズ用紙には、滑らかな表面でインクのにじみが少ないタイプや、ややざらつきのあるタイプなどさまざまな種類があります。描き心地や仕上がりの好みに合わせて、いくつか試してみると良いでしょう。
漫画制作で選ばれるaサイズのメリット
aサイズには、次のようなメリットがあります。
- コンビニや家庭用プリンターで取り扱いやすい
- 原稿スキャン時にも対応しやすい
- 仕上がり見本やデジタル化との相性が良い
また、a4用紙はそのままスキャンして縮小・印刷しやすいため、個人制作や同人活動でも幅広く使われています。後工程での扱いやすさを重視する方には、aサイズがおすすめです。
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画材選びで押さえたい紙質と厚みのポイント

紙の質や厚みは、描き心地やインクの乗りに大きく影響します。作品の完成度を高めるために、紙質と厚さの選び方をしっかり理解しておきましょう。
紙質による描き心地の違い
紙質は、表面の滑らかさやざらつきによって描き心地が変わります。たとえば、表面が滑らかなケント紙は、ペン先が引っかかりにくく、細い線やなめらかな曲線を描きたいときに適しています。一方で、画用紙のように少しざらつきがある紙は、鉛筆やシャープペンシルでの下描きがしやすい傾向があります。
インクを使う場合は、にじみやすい紙質を選ぶと仕上がりで差が出ることもあります。自分の描き方や使用する道具に合わせて、複数の紙質を試し、最適なものを見つけることが大切です。
漫画原稿に適した厚さの基準
漫画原稿用紙の厚みは、主に110kgから135kg程度のものが一般的です。厚みがあると、インクの裏抜け(裏面にしみ出ること)が起こりにくく、消しゴムで下描きを消しても紙がヨレにくい特徴があります。
逆に、薄い紙はコスト面で有利な場合もありますが、インクやペンの使用量が多い場合は、波打ったり破れやすくなります。仕上げの工程や扱いやすさも考慮して、ややしっかりした厚みの紙を選ぶと安心です。
インクやペンとの相性を考慮した選び方
紙とインクやペンの相性も重要なポイントです。たとえば、コピックやアルコール系マーカーを使う場合、インクが裏面にしみ出すことがあるため、厚みのある紙や専用の用紙が向いています。
一方、つけペンやミリペンで細かい線を描くなら、表面が滑らかな用紙がおすすめです。ペン先が引っかかりにくく、線の表現が安定します。選ぶ際は、下記のようなポイントを参考にしましょう。
- マーカー用:専用画用紙・厚めのケント紙
- ペンやインク用:滑らかなケント紙・漫画原稿用紙
- 鉛筆や色鉛筆用:一般の画用紙・ややざらつきのある用紙
画用紙と漫画原稿用紙のサイズ比較

漫画原稿用紙と画用紙では、使われるサイズや標準的な寸法が異なります。用途や仕上げたい作品のタイプによって、どちらを選ぶか検討してみましょう。
画用紙で使われる一般的なサイズ
画用紙は、学校や趣味のイラスト制作で幅広く使われています。主なサイズは以下の通りです。
サイズ | 縦(mm) | 横(mm) |
---|---|---|
四つ切 | 392 | 542 |
八つ切 | 271 | 392 |
a4 | 210 | 297 |
四つ切や八つ切は、大きめの作品やポスター制作に向いており、a4は手軽なスケッチやイラストに利用されることが多いです。
漫画原稿用紙の標準的な寸法
漫画原稿用紙の代表的なサイズはb4(257×364mm)です。これは商業誌やコミックスの原稿作成時によく使われています。b4サイズは仕上がり線(実際の印刷範囲)、内枠、トンボ(断ち切り線)などのガイドが印刷されているものが多く、印刷工程を意識した作業がしやすい点が特徴です。
また、同人誌や個人誌ではa4サイズも使用されることが増えています。用途や取り扱いやすさを考慮し、自分に合ったサイズを選ぶことが大切です。
サイズ選びが作品に与える影響
紙のサイズ選びは、作品の印象や作業のしやすさに直接関わります。大きめの紙を使うと細部まで描きこむ余裕ができ、線の強弱やトーンワークの幅も広がります。
一方、仕上げが小さいサイズの場合は、縮小したときに線が細くなりすぎたり、細かな部分がつぶれてしまう場合があります。最終的な用途や印刷方法を考え、事前に試し描きをしてみると安心です。
用途別おすすめの紙サイズと活用事例

目的や描く内容によって、最適な紙のサイズは異なります。用途に合わせた紙選びのポイントと、活用事例をいくつかご紹介します。
同人誌や商業誌で人気の紙サイズ
同人誌や商業誌原稿では、b4サイズ(257×364mm)が現在も主流です。理由は、印刷時に仕上がりサイズ(b5)へ縮小しやすく、細かい描写が活きるためです。
最近では、少部数印刷や個人制作でa4サイズを選ぶ方も増えています。a4は印刷所や自宅のプリンターで取り扱いやすく、データ化もスムーズに行えます。自分の制作環境や希望する仕上がりによって選択しましょう。
イラストやスケッチ向けサイズの選び方
イラストやスケッチの場合は、a4やb5、八つ切サイズなど持ち運びしやすい紙が人気です。気軽に始めたい方にはa4、少し大きめの作品に挑戦したい場合は八つ切やb4もおすすめです。
用途別の選び方例は次の通りです。
- 気軽なスケッチ:a4、b5
- 大きめのイラスト:八つ切、b4
- プレゼントや展示用:四つ切
自分の描きたい作品や保存方法を考えながら、適切なサイズを選ぶことが大切です。
コンビニや印刷所で使える紙サイズの特徴
コンビニのコピー機や印刷所では、a4やb5、b4サイズの取り扱いが中心です。特にa4やb5は、スキャンやプリントがしやすく、データ化の際にも便利です。
b4サイズは商業誌や同人誌の原稿制作に適していますが、家庭用プリンターでは対応していない場合があるので注意しましょう。コンビニで印刷したい方は、a4やb5を選ぶと不便が少なくなります。
まとめ:漫画制作と画材選びで失敗しないための紙サイズガイド
漫画制作やイラスト制作では、紙のサイズや紙質の選び方が仕上がりや作業性を大きく左右します。どのサイズを選ぶかは、最終的な用途や印刷方法、自分の描きやすさを基準にするのがおすすめです。
まずは、制作したい作品の目的やスタイルに合わせて、aサイズやbサイズ、適切な紙質や厚みを選びましょう。さまざまな紙を試してみて、自分の表現に最も合うものを見つけることが、スムーズな漫画制作への第一歩となります。
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