黄土色の作り方と混色の基本ポイント

黄土色は漫画やイラストの背景、影付けなどで幅広く使われる色です。ここでは、黄土色を手作りする際の基本や混ぜ方のポイントを紹介します。
黄土色を作るために必要な基本色
黄土色は、土や砂、自然物の表現に欠かせない色合いです。一般的に、黄土色を作るためには「黄色」「赤」「青(または黒)」の3色が基本となります。黄色をベースに、赤を少し加えて温かみを出し、青または黒をほんの少量加えて深みや落ち着きを持たせます。
配合の際は、まず黄色を主体にし、赤は控えめに混ぜるのがポイントです。また、青や黒は入れすぎると色が暗くなりすぎるため、少しずつ加えて様子を見るようにしましょう。ベースとなる黄色は、レモンイエローやカドミウムイエローなど、鮮やかさの異なるものを使い分けることで、出来上がる黄土色の印象も変わります。
代表的な混色パターンと配合比率の目安
黄土色を作る際に迷いがちな配合比率ですが、以下のようなパターンが参考になります。
ベース色 | 補助色(赤) | 補助色(青/黒) |
---|---|---|
黄色 8 | 赤 1 | 青または黒 1 |
たとえば、黄色を8割、赤を1割、青または黒を1割程度で始めると、落ち着いた黄土色が作りやすいです。配合の目安は、使う絵の具の種類や求める色合いによって微調整すると良いでしょう。赤を増やすと温かみが強くなり、青や黒を増やすとややグレーがかった土色になります。
混色の際は、一度に多く色を足さず、少しずつ色を加えて調整することが大切です。失敗を防ぎやすく、思い通りの黄土色に近づけることができます。
初心者でも失敗しにくい混色のコツ
初めて黄土色を混ぜる場合、どうしても色が濁ったり、思った色にならなかったりしがちです。失敗を減らすコツをいくつか押さえておくと安心です。
まず、使う色は「鮮やかな黄色」「鮮やかすぎない赤」「暗めの青や黒」がおすすめです。また、混ぜる順序は黄色→赤→青(または黒)で、毎回よく混ぜて様子を見ながら進めてください。混色をする際は、最初に使う色を紙やパレットの端で少量試してから、本番の作品に使うと良いでしょう。
さらに、色が濃くなりすぎた場合は白を少し加えると、全体が馴染みやすくなります。このように、少しずつ段階を踏んで色を調整することで、失敗しにくくなります。
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絵の具の種類別に見る黄土色の調合方法

絵の具の種類ごとに、黄土色の調合方法は多少違いがあります。水彩・アクリル・ポスターカラーや色鉛筆での作り方を見ていきましょう。
水彩絵の具で黄土色を作る手順
水彩絵の具で黄土色を作るときは、水分量の調整がポイントです。まず、パレットに黄色を多めに取り、そこへ赤をほんの少し加えてよく混ぜます。色味を見て、深みが足りなければ青や黒をごく少量ずつ加えます。
水彩の場合、色を混ぜすぎると濁りやすいので、都度筆を洗いながら少しずつ色を足しましょう。また、水の量が多すぎると発色が薄くなるため、濃度を見ながら水加減も調整します。パレットで試し塗りし、好みの黄土色になったら本番に使うことで、失敗しにくくなります。
アクリル絵の具での黄土色の混ぜ方
アクリル絵の具は乾きが早く、発色も強いため、配合や混ぜ方に注意が必要です。まず黄色をパレットに出し、赤をほんの少し加えて混ぜます。その後、好みによって青や黒を加え、色の深みを調整します。
アクリルの場合は、一度に多くの色を混ぜず、必要な分だけ少量ずつ練っていくのがコツです。乾く前に素早く混ぜ、色味が決まったら早めに使い切るようにしましょう。混ぜ残しがあるとムラが出やすいので、しっかりと均一に混ぜることも意識してください。
ポスターカラーや色鉛筆での黄土色再現法
ポスターカラーは水彩に近い使い方ですが、発色がよりしっかりしているため、黄色の量を多めにするのがポイントです。黄色を主役に、赤を少し混ぜて、その後で黒や青をほんのわずか加えて色調を整えます。
色鉛筆で黄土色を表現する場合、まず黄色で下地を作り、上から赤や茶色を重ねていきます。柔らかく塗り重ねることで、自然な黄土色に近づけることができます。仕上げにグレーやこげ茶を軽く加えると、深みのある色合いが出せます。色鉛筆は重ね塗りが大切なので、力を入れすぎないよう注意しましょう。
より理想的な黄土色を作るための色調整テクニック

黄土色は、明るさやくすみ具合、他の色との調和によって印象が大きく変わります。理想の色合いに仕上げるための調整法を解説します。
明るい黄土色と暗めの黄土色の作り分け
黄土色は作品の雰囲気に合わせて、明るめや暗めに調整することができます。明るい黄土色を作るには、黄色と白を多めに使い、赤や青(または黒)はごく控えめに加えます。白を混ぜることで全体が柔らかくなり、優しい印象の黄土色ができます。
一方で、暗めの黄土色は、黄色に赤や青(または黒)をやや多めに加えます。黒を多くしすぎると一気にグレーがかった色になってしまうため、青を使って深みを出すのもおすすめです。混色表を使って少しずつ色の変化を確認しながら調整すると、狙い通りのトーンに仕上げやすくなります。
くすみや彩度を調整する混色のポイント
くすみをコントロールしたい場合は、補色(反対の色)をほんのわずか加えるのがコツです。たとえば、黄土色が鮮やかすぎると感じたら、青やグレーをごく少量混ぜてみましょう。
逆に、彩度を上げて鮮やかな黄土色にしたい場合は、黄色や赤を足して調整します。彩度が高すぎると感じる場合は、白やグレーを加えて落ち着かせると自然な色合いになります。このように、少しずつ色を足し引きすることで、くすみや鮮やかさを細かく調整できます。
他の色との相性や応用例
黄土色は他の多くの色と相性が良く、さまざまな場面で応用が利きます。特に、緑や茶色、グレーとの組み合わせは自然物や背景に向いています。
応用例としては、以下のような使い方があります。
- 緑と黄土色:草原や樹木の表現に最適
- 灰色と黄土色:建物や石、コンクリートの質感表現
- 赤や茶色と黄土色:レンガや土壁などのテクスチャー
このように、黄土色は作品の雰囲気を柔らかくしたり、自然な質感を出したりするのに役立ちます。周囲の色とのバランスを見ながら、使い方を工夫してみると良いでしょう。
黄土色作りで知っておきたい注意点とトラブル解決策

黄土色を混ぜる際には、色の濁りや保存方法、メーカーごとの違いなど、いくつか注意すべきポイントがあります。よくあるトラブルとその対策を紹介します。
色の濁りを防ぐための混ぜ方
色が濁る原因として、たくさんの色を一度に混ぜすぎたり、濁りやすい色同士を組み合わせたりする場合があります。色の組み合わせは、黄色と赤、黄色と青、黄色と黒など、2~3色に絞るのがポイントです。
また、筆やパレットが汚れていると、意図しない色が混ざってしまい、濁りやすくなります。使う前に必ず道具をきれいにしてから混色しましょう。色を足すごとに、パレットの端で試し塗りをすることで、濁りや失敗を防ぐことができます。
メーカーごとの色差に注意
絵の具のメーカーによって、同じ名前の色でも微妙に色合いが異なることがあります。特に黄色や赤、青といった基本色の違いは、最終的な黄土色の印象にも影響します。
複数のメーカーの絵の具を混ぜる場合は、まず少量で試し塗りをしてみるのがおすすめです。また、色名が同じでも原料や発色が異なることがあるため、事前に色見本を作っておくと安心です。
作成後の色の保存と管理方法
混色した黄土色を使い切れなかった場合、保存方法にも工夫が必要です。水彩やアクリルの場合は、密閉できる小さな容器やパレットに入れておくと、ある程度の期間は再利用可能です。
ただし、アクリル絵の具は乾きが早いため、すぐに固まってしまいます。短期間で使い切るか、ラップやふたをして空気に触れないように管理しましょう。使う前には、少量の水や専用メディウムでなじませてから再利用すると良いでしょう。
まとめ:誰でもできる黄土色の作り方と失敗しないコツ
黄土色は基本色の配合を工夫すれば、誰でも手軽に作ることができます。混色の際は、黄色を多めに使い、赤や青(または黒)を加えて少しずつ色を調整することが大切です。
また、絵の具の種類やメーカーごとの違い、水分量や保存方法などにも注意しましょう。混ぜる時には少量ずつ慎重に作業し、こまめに試し塗りをすることで、失敗を減らせます。ぜひ、今回紹介したコツやポイントを活用して、自分だけの理想的な黄土色作りにチャレンジしてみてください。
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