ピンクの作り方と絵の具選びの基本

ピンク色は漫画やイラストでよく使われる人気の色ですが、絵の具で理想の色を作るにはコツがあります。ここでは、基本的なピンクの作り方や絵の具選びのポイントを解説します。
ピンク色を作るために必要な色とその組み合わせ
ピンク色を作るためには、主に赤と白の2色が必要になります。赤はベースカラーとなり、そこに白を加えることで明るくやわらかいピンクになります。市販の絵の具セットには「ピンク」と書かれた色が入っていることもありますが、自分で調整することで、より自分好みの色味に仕上げることができます。
ポイントは、赤にもさまざまな種類があることです。たとえば「カーマイン」や「マゼンタ」は鮮やかなピンクを作りやすい赤です。一方で「朱色」などオレンジ寄りの赤を使うと、ピンクではなくサーモンピンクやコーラルピンクといった温かみのある色調に近づきます。また、白の量を多くすればするほど淡いピンクになるため、好みに合わせて配合しましょう。
ピンクの濃さや明るさを調整するコツ
ピンクの濃さや明るさをコントロールするコツは、白の分量を少しずつ加えることです。一度にたくさん入れてしまうと、思ったよりも薄くなりすぎることがあります。特に水彩絵の具では、乾いたときに色が薄く見える傾向があるため、少し濃いめに調整しておくと良いでしょう。
また、赤の種類によっても発色が変わるので、最初は少量ずつ混ぜて、どのくらいの色味になるかを確認するのがおすすめです。さらに、明るさだけでなく、もう少し鮮やかにしたい場合は、ごくわずかに黄色を混ぜると元気な印象のピンクになります。逆に落ち着いた大人っぽいピンクにしたいときは、ほんの少し青を加えてみましょう。
おすすめのピンクが作れる絵の具ブランド
ピンク色を自由に作りたい方におすすめの絵の具ブランドはいくつかあります。まず「ホルベイン」は発色が良く、赤やマゼンタの種類も豊富です。水彩・アクリル両方で使えるタイプもあり、初心者からプロまで幅広く支持されています。
「ターナー」も鮮やかな発色と混色のしやすさが魅力です。特にアクリルガッシュは、白を混ぜても発色がくすみにくいので、透明感のあるピンクを作りたいときに向いています。もう一つ、「リキテックス」はアクリル絵の具の中でも明るくクリアな色作りができるので、はっきりしたピンクを求める方に使いやすいブランドです。
ブランド名 | 特徴 | 対応画材 |
---|---|---|
ホルベイン | 発色が良く種類豊富 | 水彩・アクリル |
ターナー | 混色しやすく鮮やか | アクリル |
リキテックス | 明るくてクリアな発色 | アクリル |
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ピンクのバリエーションと色のイメージ

ピンク色にもさまざまなバリエーションがあり、それぞれ印象が異なります。この章では、人気のピンクの種類やそのイメージについて紹介します。
パステルピンクやサーモンピンクなど人気の種類
ピンクと一口にいっても、色味によって印象は大きく変わります。淡くやさしい「パステルピンク」は、白を多めに混ぜたふんわりした色で、少女漫画や可愛らしいイラストによく合います。一方、「サーモンピンク」は、赤にオレンジや黄色を少し加えて作る温かみのあるピンクで、優しさや親しみやすさを表現したいときにおすすめです。
さらに、「フューシャピンク」や「ショッキングピンク」は、鮮やかなマゼンタ系統のピンクです。活発でエネルギッシュな印象を与えたいときや、アイキャッチに使いたい場面で活躍します。用途や表現したい雰囲気に合わせて、いろいろなピンクを使い分けるとイラストに深みが生まれます。
暖かいピンクと冷たいピンクの違い
ピンクには「暖かい印象」と「冷たい印象」の2つの方向があります。暖かいピンクは、オレンジや黄色を少し加えたサーモンピンクやコーラルピンクなどが代表的です。この系統のピンクは、安心感や親しみやすさ、柔らかさを表現できます。
これに対して、冷たいピンクは青みがかった色味が特徴です。たとえば「ベビーピンク」や「ラベンダーピンク」などがそうです。こちらは清潔感や上品さ、落ち着いた印象を与えたいときに使うと効果的です。自分の作品で伝えたい雰囲気に合わせて、暖かいピンクと冷たいピンクを使い分けましょう。
ピンクが持つイメージや心理効果
ピンク色は、見る人にやわらかさや優しさを感じさせる色です。心理的には、緊張をやわらげたり、安心感を与える効果があるとされています。特に淡いピンクは、癒しや可愛らしさ、愛情を象徴する色として、キャラクターの性格やシーンの雰囲気づくりに役立ちます。
一方、鮮やかなピンクは、元気や活力、強い個性を印象づけるのに向いています。漫画やイラストでキャラクターの特徴を際立たせたいときや、背景を明るくポジティブな雰囲気にしたいときなど、ピンクの心理効果を取り入れてみると表現の幅が広がります。
混色で理想のピンクを作る実践テクニック

理想のピンクを手作りするには、混色の順番や色の量、混ぜ方がポイントになります。ここでは、具体的なテクニックや調整方法を紹介します。
絵の具を混ぜる順番とポイント
ピンクを作るときは、まずパレットに白を出し、そこに赤を少しずつ加えていくのがコツです。逆に赤をベースにして白を加える場合、つい白を多く使いすぎてしまうことがあるため、最初は白をメインにすると失敗しにくいです。
混ぜるときは、一度にたくさん加えず、スパチュラや筆で丁寧に少しずつ混ぜましょう。また、色を混ぜるたびに同じ分量や順番をメモしておくと、後から同じ色を再現しやすくなります。絵の具の種類やメーカーによって発色が変わるため、使い慣れた画材で練習するのもおすすめです。
白や青など他の色でピンクを調整する方法
理想のピンクを作るうえで、白だけでなく青や黄色を少し加えると、さらに幅広い色合いが表現できます。たとえば、赤と白でできたピンクにごく少量の青を加えると、クールな印象のブルーピンクになります。逆に黄色をほんの少し混ぜると、コーラルピンクやサーモンピンクのような暖かな色味となります。
調整の際は、追加する色を少しずつ混ぜるのがポイントです。特に青や黄色は発色が強いため、一度に入れすぎると全体のバランスが崩れやすいので注意しましょう。色の変化が分かりやすいよう、混色の途中経過を紙に塗って確認すると、納得できるピンクが作りやすくなります。
鮮やかなピンクと淡いピンクの作り分け方
鮮やかなピンクを作りたい場合は、「マゼンタ」や「カーマイン」などの鮮烈な赤を使い、白の量を控えめにするのがポイントです。発色の強い赤は少量でもしっかりとした色味が出るため、明るく鮮やかなピンクが作れます。
一方、淡いピンクを作るときは、たっぷりと白を使い、赤はごく少量に抑えます。水を足して透明感を出すと、やわらかい印象になります。使う赤の種類や絵の具の質感によっても仕上がりが変わるため、複数のパターンを試して自分の理想に近いピンクを見つけてみましょう。
ピンク色を使ったイラスト表現と活用例

ピンク色は漫画やイラストでさまざまな表現に活用できます。ここでは、ピンクの具体的な使い方や相性の良い色、作品への応用例を紹介します。
漫画やイラストにおけるピンクの使い方
漫画やイラストでは、ピンク色はキャラクターのほっぺやリップ、洋服のワンポイントなど、やわらかさや可愛らしさを出したい部分によく使われます。背景にピンクを使うと、優しい雰囲気や明るい印象を演出できます。
また、花やスイーツなど小物の彩色にもピンクは映えます。キャラクターの性格や雰囲気を表現したいときに、髪色やアクセサリーにもピンクを取り入れることで、全体にまとまりや華やかさを加えることができます。
ピンクと相性が良い色の組み合わせ
ピンクはさまざまな色と組み合わせると、より魅力的な表現ができます。たとえば、白やクリーム色と合わせると、やさしく柔らかな雰囲気になります。グレーやベージュなどの落ち着いた色と組み合わせると、上品で大人っぽい印象を演出できます。
また、水色やミントグリーンなど爽やかな色と合わせると、フレッシュで明るい雰囲気になります。黒やネイビーと組み合わせると、コントラストが際立ち、ピンクが華やかに目立ちやすくなります。シーンやキャラクターのイメージに合わせて、色の組み合わせも工夫しましょう。
ピンクの組み合わせ | 印象 | 例 |
---|---|---|
白・クリーム色 | 優しさ、柔らかさ | 花、背景 |
水色・ミント | 爽やか、明るい | 春の衣装、小物 |
グレー・ベージュ | 上品、大人っぽい | アクセサリー |
ピンクを取り入れた作品例とアイデア
ピンク色を効果的に使った作品例としては、春の桜をテーマにしたイラストや、ハートやリボンをモチーフにしたかわいらしいキャラクターイラストが挙げられます。また、背景にグラデーションでピンクを使うことで、やわらかさや透明感を演出する方法もおすすめです。
アイデアとしては、ピンクの濃淡を活かしてキャラクターの感情表現や、特別なシーンの演出に取り入れると、印象的な仕上がりになります。さらに、ピンク系の異なる色を複数使い分けて奥行きを出したり、他の色と組み合わせて個性的な世界観を作り上げるのも面白い方法です。
まとめ:ピンクの作り方と画材選びで広がる表現の可能性
ピンク色は、組み合わせや調整次第で無限の表情を見せてくれる色です。自分で作ることで、よりオリジナルなイラストや漫画の世界観を表現できます。画材選びや混色のコツを押さえて、ぜひ理想のピンクを楽しみながら見つけてみてください。ピンクのバリエーションを知ることで、作品の表現力も大きく広がります。
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